第5回｜SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」―すべての人が、自分らしく輝ける社会へ

先月は SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」をテーマにお届けしました。
今月は目標5「ジェンダー平等を実現しよう」 について解説します。

今月、自民党の高市政権が発足し、日本で初めて女性総理大臣が誕生しました。
「女性総理がニュースになる」という事実は、社会における性別への期待や役割意識——すなわちジェンダーが深く関係しています。

❓ジェンダーとは？

ジェンダー（gender）とは、生物学的な性別ではなく、
社会的・文化的に定められた性別のイメージや役割を指します。

例：

• 女性らしい／男性らしいと言われる服装や振る舞い

• 女性は家事・育児、男性は仕事を担うという役割意識

私たちの生活の中にも、無意識にジェンダー観が入り込んでいる場面が多く存在します。

🌎 世界と日本のジェンダー状況

【日本の現状】

日本では今も、結婚・出産・介護を理由に女性がキャリアを中断する例が多く見られます。

その結果：

• 女性議員比率：約9.9％と低水準

• 企業における女性管理職割合も依然少数

一方で、企業の採用サイトに育休取得率や管理職比率が掲載されるなど、
社会全体でジェンダー平等への意識は高まりつつあります。
今回の女性総理誕生は、こうした議論をさらに加速させる大きな契機となりました。

【世界の現状】

世界でもジェンダー課題は深刻です。

• 小学校に通えない子ども：5,900万人－うち 3,200万人が女の子

• アフリカでは3人に1人が18歳未満で結婚（児童婚）

児童婚は、

• 妊娠・出産リスクの増大

• 教育機会の喪失

• 暴力・搾取の被害

につながる深刻な人権問題です。

●なぜジェンダーギャップを解消する必要があるのか？

ジェンダーギャップの解消は、単なる“道徳的に正しいこと”や“イメージ向上”のためだけではありません。

社会・経済の持続的成長のために不可欠だと言われています。

●経済成長の大きなエンジンになる

国際機関の分析では、ジェンダーギャップを縮小すれば日本のGDPは約9％増加する可能性があるとされています。
（例：IMF、世界経済フォーラム等の試算）

つまり、女性が十分に活躍できない社会とは、経済的損失が発生している社会と言い換えることができます。

ジェンダー平等は、社会全体の活力向上・経済成長・多様な価値創造につながります。

能力や希望に基づいて誰もが自由に選択し働ける社会は、企業にも新しい競争力と発想をもたらすと言えます。

💡私たちにできること

身近なところから取り組みが始められます。

• 家庭内の役割分担を見直す

• 職場のジェンダーバランスを意識する

• 偏見につながる言葉や無意識の思い込みを振り返る

• 多様なキャリアや働き方を尊重する

  
  

小さな意識の変化が、未来の社会を変える第一歩になります。

【まとめ】

女性総理の誕生は、社会の意識変化を感じさせる出来事でした。
ジェンダー平等は人権の問題にとどまらず、社会の成長や多様な価値を生む原動力でもあります。
一人ひとりの意識を変えることが、誰もが自分らしく輝ける未来への第一歩です。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。
次回は【～ゼロから学ぶSDGsシリーズ⑥～ SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」】についてお届けします。